2018年10月18日木曜日

東電元副社長曰く「深くおわび」すると。誰に?

東電福島原発を崩壊させ、未曾有の被害を出し続けている惨事の責任を追及され、業務上過失致死傷罪に問われている東電の元会長や社長などの裁判支援/傍聴に参加してきた。10月中に7回の公判という異例の日程である。16日、17日は被告への尋問であるから、大勢の傍聴希望者が集まり、くじ運の悪い小生は引く前から落選気分であった。結果はその通りで、17日の午前の部だけ傍聴できた。被告人質問で「亡くなられた方々や遺族、避難者」へのお詫びを言ったが、頭を下げたのは裁判長の方向で、遺族や避難者が居る傍聴席には顔さえ向けなかったと傍聴者は呆れていた。それから翌日も続く尋問で、「事故の発生は予見できなかった」と抗弁し続け、東電社員が副社長に送ったと陳述している重要なメールさえも見なかったから知らなかったと抗弁し続けた。破廉恥としか言いようのない発言が続き、これが大企業の責任者かと呆れるほどばかりで、自己の位置は何かを認識していないのか、逃げ回っているのか、品性の無さ極まれりである。明日19日も多くの人々が傍聴に参加されるだろう。ひとつ気になることがあった。16日には11席、17日には8席の傍聴席が空いていた。16日には350人が、17日には200人が傍聴券を求めて抽選に参加したのに、難関をくぐって傍聴券を得たものが傍聴しないわけが無い。なぜこんなことが起こったのかと考えるに、東電側に雇われて抽選に参加した輩が、傍聴券を得たが、初手から座ろうとなど思っていず、破って捨てて帰ったのだろう。要は、告訴側への嫌がらせと、満席でないかのように見せることを意図した妨害だろう。いろんな裁判で使われる手法であり、この日の武藤副社長の証言姿勢と符合する東電の品性のなさを見るようだった。

2018年10月5日金曜日

本庶さんのノーベル賞受賞もよいが、大学の教育研究体制の再考を

ノーベル賞の季節になったようで、本庶さんが受賞されたという。同じレストランで時々顔を合わせたが話したこともない。しかし、彼がレストランに入って来た際に、先に昼食を食べていた京大医学部か病院関係者の狼狽ぶりはおもしろかった。タバコを吸いながら昼食後のおしゃべりを楽しんでいた3、4人の白衣の連中が、タバコをもみ消し、残っているコーヒーを飲み干し、本庶さんに深々と頭を下げ、そそくさと飯代を支払って出て行った。なるほど、この人はそれほど偉い人なんだとは思ったが、どんな研究をやっているのかは知らなかった。ノーベル賞に付いてくる金は研究者養成に使うとか。結構なことである。
 それにしても、現在の大学研究者の置かれている研究費状況は最低である。毎年定常的に支給される研究室運営費はほとんどないのに等しいという。競争的研究費が当たらないと、教授一人が自由に使える研究費はわずか30万円という。月にすれば2万円くらい。これではなにもできない。昔は教員が数名いる研究室では校費と称する金が毎年支給され、研究室が独自で金の使用を決定できた。研究室、研究者による自治が認められていた。金額も結構なものだった。そういう金を文科省が統括できるようにし、4人の教員が居ても100万円もない状態にし、研究費は競争的資金を取って来いと言う。国の研究支配である。自治を無くした大学は質の低下を招いている。競争的資金を獲得した研究者や研究題目が科学の進化につながるかといえば、そんなことはない。国家権力に従う研究者と金儲けのできる課題がのさばるだけである。現在の京大を見ていればよく分かる。国家の横暴を批判する動きなどは研究者にはまったくない。従うだけである。そのような構成員の下では学問の自由とか大学の自治ということばは聞いたことがない。だから、現在の学生は「大学自治」とか「学部自治」とか「学問の自由」なんてことを講義や教育の中で聞いたことすらない。
 さて、本庶さんはまだ京大の特別教授の位置やその他の国家機構の位置を持っているようであり、ますます受賞後は増えて行くだろう。今の大学の状況に対して、単に賞金を寄付するだけではなく、国家予算の中での研究費の配分や管理機構に対してもの言う受賞者になっていただきたいものである。京大では多くの受賞者がいるが、そんな機能を果たした受賞者を見たことがないので、楽しみにしていようと思う。

2018年10月1日月曜日

MBSもABCも腐りきったマスコミでしかないのか

台風がすこし遅れてくれたので、9月29日の土岐さんの沖縄問題の講演会は無事終了。得るものが多いお話だった。感謝である。そして台風も京都は雨風ともに弱くで過ぎてくれた。真夜中に沖縄知事選挙の速報は聞いた。玉城氏の当選。沖縄の人々の良識に拍手を。
 翌朝(今朝のこと)起きて、8時ころからテレビで選挙結果の詳細を知りたいと各チャンネルを渡り歩くもこのテーマの放送には出会えなかった。台風関連は重要な課題で、北海道近辺にまだいるのだから仕方がないが、樹木希林さんのお葬式情報に時間の大半をつぶし、10時からの別番組もこのテーマばかり。我が家では関テレ(8チャンネル)と読売(10チャンネル)はほとんど見ない。なぜならマスメディアの一員に相当する資質を有していないからである。政府広報部が経営しているようなものだから。今朝の状態は、毎日(4チャンネル)も朝日(6チャンネル)もその程度のお粗末なマスコミだったようである。安倍政権批判を確固たる信念で貫き通した翁長知事の後継だから、そんな輩の当選など報じられるかと放送界全体が流れて行っているのだろう。土岐さんの講演レジュメの表題「沖縄苦難400年 終わらぬ闘い〜薩摩侵略、琉球王国併合、皇民化、米軍政、辺野古・・」と沖縄に苦難を強いたのはこんな政府におもねるマスメディアの働きが大きいのだろう。台風一過の晴天にホッとする気にもなれない今朝である。