世界平和への日本の役割を思う
—トランプ大統領の暴言を受けてー
私たちは第2次世界大戦末期の悲惨さと戦後の平和と民主主義を、子供の目と心で体験した後期高齢の老人たちです。残された余命を思い、危険な時代に入った現在、子や孫の未来に心を痛めて、黙っていられない思いです。
G20が大阪で開催されましたが、議長国日本はアメリカの顔色を伺うばかりで、目ぼしい成果が見られないというのがあらかたの評価のようです。それどころか、G20後の大阪で、トランプ大統領は日米安保体制が不公平だと、日本が戦争に参加する国になるよう対等性を要求しました。日本の若者も戦地に立ち、アメリカのための戦争に血を流せということなのでしょうか。
日本は国のかたちを憲法に定め、戦争放棄と戦力の不保持を国是としました。国論を二分した安保法制を問答無用で強行採決したのもアメリカの強い要請だったと言われます。そして、今回のトランプ発言です。日本は独立国としての体をなしていないと、国際的な信用も失っています。
世界の平和は何より大切です。世界第3位の経済大国であり、周辺に国境紛争もない国として、日本は指導力を発揮しうる条件のある国です。しかし、日本各地とくに沖縄においては、巨大基地を米国に提供するだけでなく、膨大な維持費も“思いやり予算”として日本は支出しているのです。地位協定とそれに基づく治外法権は明らかに理不尽であり、現地の方々の人権が大きく侵害されています。この現実は不公平どころか不公正そのものです。地位協定の改定と基地縮小を図るだけでなく、憲法の理念に反する安保条約の破棄こそが、国の尊厳をかけて取り組むべき課題でしょう。
その上で、憲法の掲げる国是である非戦の理念に基づいて、外交努力を強め、平和な地球の実現に努力を注ぐべきです。日本は戦争の不安を伴う国際紛争もない大国です。その影響力が今こそ求められています。私たち老人も命の限り訴えつづけてまいります。
2019年7月4日
平和と非戦の国是を外交に求める年寄りたち
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