「京都学園大学バイオ環境学部の教員(男性の元准教授)によるセクハラ行為を受けた元大学院生の女性が元准教授と学校法人京都学園に損害を求めた訴訟は12日に和解が成立した。」との報道記事が京都新聞(2013年7月13日)に掲載された。この和解によって被害者が少しは救済されたのか、京都学園大学ではハラスメントはなくなるのだろうか。事件と事件後の経過を検証し、京都学園大学の猛省を促したいと思い、このブログで問題提起を続けることにした。小生がこの事件とどのような関係にあるのかをまず明らかにしておきたい。
2004年から2005年まで、京都学園大学バイオ環境学部準備室に勤務し、2006年から2010年3月までバイオ環境学部の教授に就任していた。退職後に明らかになったこのセクハラ事件の被害者の代理人となり、ハラスメント委員会に調査と救済を要求した(2011年4月22日)。その後、被害者の救済を求めてハラスメント調査委員会や学長と交渉を続けてきた。
今回の和解では「本件に関して原告が多大な精神的苦痛を受けたことを謝罪する」との一文がある。誰が、どのような言葉で謝罪するのかは書かれていないし、この和解文書は京都学園という学校法人の理事長名で書かれたものであって、もっとも重い責任を持つべきバイオ環境学部の前および現学部長や学長がどのような言葉で本人に謝罪するのだろうか。和解成立後から1ケ月以上が過ぎるが、彼らは何の責任もないかのようであり、被害者への謝罪の言葉はない。この事件が明るみになってから3年以上の間、彼らは一貫して被害者に真摯に向き合って来なかったといえる。だから、学内での解決が実現せず、学外社会(裁判)での決着を被害者は求めざるを得なかったのである。和解後の彼らの振る舞いもその延長上にある。これでは、「全学を挙げて学内のセクハラの再発防止に取り組むことを約束する」などとは信用できる訳がない。加害者の准教授は懲戒解雇で大学と縁が切れ、被害者も除籍処分で縁が切れ、平穏な大学に戻ったと思っているのだろうか。3名ものセクハラ被害者を出した責任を自らの言葉で語るべきである。
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