学生は救済せず、学部長は追及しない調査委員会
京都学園大学ハラスメント調査委員会(委員長 森田敬信)の学長内山への調査報告書(2013年2月10日付け)を見ながらこのブログを書いている。この調査委員会報告書は22ページに亘るものであるが、学部長によるパワハラなどは当初からなかったものであるとの結論を導くために費やされた報告文である。被害者が「パワハラの実態調査と被害者救済」を申し入れたにもかかわらず、大学のハラスメント規定内にある「アカデミック・ハラスメントとその他のハラスメント」の成否について判断するとしている。これは一般教員にも適用される条文であり、被害者が学部の責任者としての学部長による裏切り行為(パワハラ)とは異なるハラスメント条項を適用したものである。だから、この解釈を採用した段階から、学部長によるパワハラはないとの前提で調査は始められた。
そして、学部長が被害学生のことを思いやっているかのような発言を随所に記載し、パワハラなどはなかったことにしている。例えば、「申立人(注:被害者のこと)は大学院をやめるし、早くセクハラの件を忘れて次のことをしたいという希望であると(注:学部長は)思っており、調査の方針として、申立人にあまり過去の嫌な出来事を思い出させたり、心の負担になることはやめようと考えていた」といかにも学生思いのような文言を引用している。しかし、「大学院をやめるし」と証言したように言っているが、セクハラ被害者がどのような教育環境ならば、セクハラから立ち直って勉学を続けることができるかとの対策を示すこともせず、本人が退学したいと思っていると執行部会議などで発言していた。このような無責任な行為はパワハラに相当すると学部長を訴えたのである。学部長を筆頭とするバイオ環境学部教授会全員への失望から、当然のこととして被害者は「やめたい」心境となったのは事実であるが、退学届けを出すまでは、学部長は勉学継続を可能とする対応をしなければならない。それをまったく怠り、「本人が大学をやめると言っている」と断定するような発言をしたのは学部長本人である。さらに、現学部長となった深見教授の発言(本ブログの検証-4)「被害を受けた学生が、被害を受けながら同じところの大学院に進学するのは理解できない。」など、およそ教育の場にいる人間と思えない多くの発言が被害者をして「やめたい」心境にさせたことが学部全体のパワハラであり、その代表者として学部長を訴えたのである。
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